諦めることは大抵ネガティブに捉えられますが、私は自分の中にある「こうしたい」はあえてポジティブに諦めた方がいいと考えています。これは、自分の意思を手放すことのように聞こえるかもしれません。私自身、自分はどうしたいのだろうと悩み、気がつくと時間だけが過ぎていることがありました。MMSTの稽古において「選択肢があり選べると考えている時点で前線にはいない」という話がありました。確かに私が会社を立ち上げた当時を振り返れば、実は自分の強い意志で設立したわけではありません。様々な事象が関係している中で「そうせざるを得ない、ならば」という程度であり、現実的な状況の中で決定し実行しただけなのです。これを前線だとするならば、悠長にどうしたいかと考える暇はありませんし、結果物事は前進しています。「自分はどうしたい」ではなく、自分の中にある選択肢は早々に諦め、状況を冷静に捉えて、怖くても自分だけのこだわりだと思うものは一度手放すこと、それを繰返す中で前線という「現実」に立つ意識が芽生えるのかもしれません。