何かを変えたり、動かしたりしようとする時、少なくともそこには大きなエネルギーを必要とします。
効率化をもとめる現代社会の中では、そのエネルギーはコストとされることも少なくなく、 できるだけエネルギーをかけずに目標に辿り着くことの方が美徳のように語られることさえある時代です。 『成りあがり』(角川文庫/2004年)は、言わずと知れた日本のトップミュージシャン矢沢永吉が、貧しかった幼少期からミュージシャンとして成功していくまでの想いや経験談を赤裸々にまとめた自伝ですが、この道程には、「やってやるぜ」という尋常ではないエネルギーと行動力が一貫しており、時にはハッタリもまじえて、まさに「成り上がる」様が伺えます。 道なきところに道をつくること、彼に学ぶ「今にみてろよ」の熱量が試されるのであり、自戒も込め、この熱量と行動力こそが、巌も通すために求められる能力なのだと思います。