2025/07/07

動いて考える難しさ

 ある起業家が「準備ができたらなんて考えてないで、とりあえずやりながら考えればいい」という話をしていました。これは起業家に限らず物事を動かしている人たちの中では当たり前の考え方のようです。シンプルで一見簡単そうなことに思えますが、私自身、足踏みしてしまうことが多いです。どこでつまずいてしまうのか、動きづらくしている原因は何なのでしょうか。最近、仕事でやり方がわからない事がありました。先に事例を調べて準備をしようと思いましたが、「やりながら」という話が頭をよぎり、わからないが一旦進めることにしました。進行中は色々な問題にぶつかり、その度に「対応しつつ考える」を繰り返し、物事は慌ただしく進んでいきました。周囲から冷ややかな目を向けられることもあり、正直「やはり準備をしておけばよかった」という考えが浮かびましたが、何故か違和感もありました。「言い訳」かもしれないということです。その場でできないことへの言い訳。この言い訳が癖になっている場合、「動きながら考える」が難しくなるのではないかと思います。実践的な取り組みを、その場の決断力や実行性の質ではなく過去の準備にのみ求めることは、やはり「今」という現実を取り逃がしたピントのズレた対処を積み重ねることになってしまいます。「動いて考える」を難しくしているのは、「言い訳」によって「今」という瞬間を過去や未来に取り逃がしてしまう曖昧な時間感覚なのかもしれません。

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