学生時代、論文を書くにあたって恩師から次のように教えを受けました。
「論文は思考を育てる訓練です、様々な視点やたくさんの言説がある中で、一つの仮説を立て、少なくとも「私はこう考える」と述べなさい、それが自分で考えることの一歩です」
当時はそういうものかなと思う程度でしたが、その後社会に出て色々経験するうちに、人生の教訓のように思えています。
選択肢が多いことは色々な可能性が広がり良い面もありますが、反面、多くの中から何を選ぶのかという迷いが生じます。
私は学生の時分にも「これは正解なのだろうか」とあれこれ迷い、何をしたかったのかわからなくなることさえありました。しかし、その選択の正誤を考えるにも結局のところ、まずは「これ」を決めなければ始まらないし、永遠に迷いをループし続けることになるだけです。
たくさんの選択を持ち続けるよりも、一つを選択した一歩から、豊かな可能性が広がることがあると思います。