「今を大事に」という言葉はよく聞きますが、その「今」を本当に意識できているかと振り返れば日常生活ではなかなか難しいものです。 MMSTでは、創作に関して、関係するメンバーには本番も稽古も同じということを最初に共有します。 稽古であっても、本番と同様に臨むこと。 体調が悪いからという理由で、もしくは本番のために少し体力を残そうというような考えで、全力をかけられないようでは「今」を取り逃すことになります。 演劇は時間と空間の芸術と言われるように、俳優が同じ台詞をしゃべったとしても、同じ時間、空間は二度とかえってきません。 この「今」に対する価値をどれくらいもつことができるかが問われます。
その一瞬の「今」の価値を一つひとつ積み上げることはとても難しいことだと日々稽古を見ていても感じます。 「“今”、この瞬間にどれくらい全力をかけられるか」の覚悟は、舞台の大きな価値と魅力だと感じます。