「想像力」を辞書で調べると、「想像する能力。目には見えないものを思い浮かべる能力」といった説明が並びます。
クリエイティブな領域だけでなく、日常の些細な点においても、人間はこの能力を働かせながら生活をしています。AIなど情報技術の発達によって様々なことの利便性が増し、恩恵を受ける反面、私はこの想像力はどうなっていくのだろうかと考えることがあります。 最近私がよく現場を共にする韓国人俳優は、気遣いのプロと言えるほどに相手への配慮が細やかで、何も言わずともほしい情報を揃えていることがあり、未来を見越したそれらの行動を見ると、想像する力とは他者意識がどれだけ強く持続されるかということではないかと思います。 相手や今周囲がどういう状況にあるのかという他者への意識が、想像する力をより高めるのだろうと思います。 他者を前提とした芸術である演劇。これからの時代も、ここに生きるヒントを見出せるのかもしれません。