先日、韓国、台湾、日本の演劇関係者が韓国釜山に一堂に集い、3つのチームに分かれて各チーム一つの作品づくりをおこなうというプロジェクトに関わりました。自国とは違う文化、生活スタイルを持つ国の人々との創作現場は、想像する以上に異なる価値観との出会いがあります。演出家にしても俳優にしても現場を共にする各言語の通訳者やスタッフら、それぞれが持つ考え方やスタンスが違うことはもちろん、その中であらためて自分の立ち位置や価値観を捉え直す機会でした。異なる価値観の遭遇というのは、結局のところ他者性ということなのだと思います。今回の創作現場の中で、自分とは違う「他者」がリアルに存在しているという実感、そして色んなことを考える「他者」が複数人いて、その中でどういうコミュニケーションを取り、一つの作品をつくりあげていくのかを考え続けるプロジェクトだったと感じています。