2024/10/06

「型」の効能を考える

 「ものを作るときに形をつくりだすもとになるもの」を意味する「型」について、 最近のMMST稽古では、俳優が自身の基本となる「型」に立ち返り、それを自身の美学として徹底し、追求していくという話がよく出ています。 どの分野でも言われることですが、完全なオリジナリティから出発することはほとんどありません。日本では、剣道、柔道などの武道の精神、能狂言などの伝統芸能においても「型」を重要視することは多くの人が知るところです。 土台となるものがない状態では、採点基準がないテストを受け続けるようなもので、うまくいっているのか、いないのかを判断することはやはり難しいものです。 自分の中に「型」をもつこと、そしてその「型」を軸とした判断基準を持って反復練習を重ねながら技能や精神を鍛錬していく先に、その人固有のオリジナリティが見出されてくるのだそうです。「型」の奥深さを感じます。

Translate