人間は同じ空間を共にするだけで多くの情報をやりとりしているようです。空間芸術、集団芸術と言われる舞台芸術の世界では当たり前のことかもしれませんが、現代社会では特に軽んじられていると感じることが増えてきました。様々な情報交換ツールが発達し、効率化を求めると、確かに人と人が情報を交換するためにわざわざ同じ場所に集うことが非効率であるという考え方になってしまうことは理解できます。しかし、一方で、同じ空間を共にしていないがために落としている情報というものもあると思います。
言語化できないのですが、なぜか、会わない時より、会った方が交わした言葉は少なくとも、相手の状況や考えを共有していることが確かにあるのです。ただ同じ場所にいることによって、見えない情報交換がおこなわれているとしたら、それこそが豊かな情報なのかもしれません。