世の中には、思いついたら即行動するタイプと、吟味してある程度自分の中で道筋が見えてから行動するタイプがいると思います。私自身は後者のタイプですが、以前、MMST代表から、「その自分の中で整理してから」という行程は果たして必要なのか?と問われたことがあります。当時の私は、事前の計画性は必要不可欠で、むしろ思いつきで行動する方がまずいのでは、とさえ考えていました。頭の回る方はお気づきかもしれませんが、先の問いは、事前の計画性がいらないとは言っていないのです。おそらく即行動して結果が出せるタイプの人は行動とともに計画をし、その時々で生じた問題についてはその都度対処している、ということなのだと思います。MMSTの稽古でも「落ち着いて頭で把握する余裕をもつと、かえって余計なことまで考えてしまい対処が遅くなる」と指摘されます。私の躓きを振り返ると、躊躇したり、一旦立ち止まって考えたくなってしまう原因は、先の見えない「怖さ」だったのではないかと考えるに至りました。あれこれ考えず、思い切って実行に移してみれば「怖さ」自体が無化され意識されなくなるという経験を何度もしてきました。「行動する中で考える」という「現実」を引き受けることで、怖さという「幻想」を取り払うことができるのではないかと思います。