2024/09/29

「あらすじ」と「感想」

 以前MMSTでは、戯曲勉強会をおこなっていたことがあります。ギリシャ悲劇から現代まで、国内外の著名な戯曲を週に2~3本のペースで読み、参加者各自が400字以内にまとめた「あらすじ」を共有して、どのような作品であったかを勉強するというものです。 ここでは、読者が感じたことや考えたことをまとめる「感想」ではなく、作品には何が書かれているか?という「あらすじ」を書くことがルールでした。 この「あらすじ」を、決められた字数内に的確にまとめる作業が予想以上に難しく、気を抜くと自分勝手な感想になってしまいます。同じものを読んでいるはずなのに、参加者がそれぞれ全く違う観点でまとめていることが多々ありました。 作品は自由に解釈すれば良い、という声が大きくなっている昨今ですが、様々な考え方や多様な価値観が日常に溢れる時代こそ、より「あらすじを掴む読解力」を鍛え直さなければならないのだろうと思います。

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