2026/10/11

国際交流の難しさ

MMSTが国際交流事業に携わるようになって10年以上が過ぎました。

意識的に国際交流に注力していたというよりは、韓国の劇団との共同公演から始まり、そこからの縁で共同制作やワークショップといった事業を続けてきた結果、気付けば毎年のように韓国や台湾との国際的な事業を行っていた、というのが実情です。
そのような事業を実施してきた具体的な経験の中で感じたことを少し振り返ってみたいと思います。

かつて「日本人は勤勉」というような印象を持たれていた時代がありましたが、時代も進み各国の人種的なイメージも大きくかわってきているように思います。実際、ここ数年事業を進める中で「●●人はこうだ」という言説に疑問を持つようになりました。たとえば「日本人は曖昧な表現が多く主張がわかりづらい」というもの。確かに日本語には曖昧な表現も多く、場合によっては誤解されることがあるのは事実です。しかし実際、海外の関係者らとやりとりをしてみると、それは表現の仕方や価値観の優先順位の違い程度の問題に過ぎず、総合的なコミュニケーションの場においては韓国人や台湾人もさほど変わらないというのが実感です。いずれにせよ重要なのは「相手の立場をどれくらい想像できるか」ということであり、そこがない場合は言葉が通じる日本人同士でも交流は難しいのではないかと思います。国を超えると「違う」ということが当然意識されやすくなりますが、その際に安易に「●●人はこうだ」と捉えて違いを認識するだけに留まると、むしろ分断され「交流」にならないのではないでしょうか。「交流」というものに価値を認め、それを本気で実行する為には、異なる価値観や文化を互いに理解し、自身の価値観から一歩踏み出て新たな価値観に飛び込んでいく「勇気」のようなものが必要なのだと強く感じています。そして、最も困難なことは、このような理想を現実の場において実行することです。日本人であれ、韓国人であれ、台湾人であれ、このような理念に理解を示す人は少なくありませんが、具体的な実践の場でその理念を実行する人は残念ながらそう多くありません。諦めずに「国際交流」の実行を目指して邁進していきたいと思います。

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