他国の人々と一緒に何かをやろうという時、共通言語がない場合は、先ず言葉の壁を感じることが多いと思います。伝えたいことの意味を辞書やアプリで調べたり、ボディランゲージを使ったり、様々な方法で意味を伝えようとします。一方で、「相手の話している内容はわからないが、怒っていることは分かる」というようなことを一度は体験したことがあるのではないでしょうか。人間は、相手のしぐさや話し声のトーン、目の動き方など言葉だけではない多くの情報を受け取り、状況を把握していることは明らかです。殊に演劇は、言葉や体を使います。言葉も重要な要素の一つですが、その言葉の意味だけでは説明のつかない感覚を、俳優の体を通して具現化する芸術だと思います。そこに面白みがあり、古代ギリシャから続く演劇の叡智だと思います。