2025/04/06

言葉が通じないからこそのインプット

 MMSTでは、現在、台湾、韓国、日本の3カ国による国際共同プロジェクト「 Othello ver 3.0」のリハーサルを福岡のアトリエでおこなっています。3カ国から各2名ずつ、計6名の俳優が、生活を含め空間を共有しています。本作では、俳優の母語となる言語のテキストをそれぞれ使用するため、3カ国の言語が飛び交います。相手が今どの台詞を話しているのか分からない状況の中で進行されますが、不思議なことに自分と同じ言語の俳優同士のやりとりでも、うまくいかない場合があります。むしろ、相手の言葉が分からない方が、集中力、インプット力が高くなっているようです。

 言葉の意味さえ分かればうまくコミュニケーションがとれるというのは幻想なのかもしれません。目に見えないが確かにある相手の呼吸や身体感覚にどれほど集中し、空間を意識しつづけられるのか、これこそが「交流」の作業なのではないでしょうか。

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