MMSTの稽古では「振り幅を大きくする」ことが求められます。これは、自らのエネルギーについて最小から最大の差をできる限り大きくする、ということを意味します。振り幅が大きければ大きいほど自らの身体や精神のコントロールが難しくなりますが、あえて困難な状況を作り出すことで舞台上で求められる強いエネルギーが必要とされる、という考えに基づいています。一般的に、大人になればなるほど自分自身のコントロールが要求されますが、コントロールできる振り幅にとどまる限り必要とされるエネルギー自体は弱まってしまいますので、成長に繋がっていくこともなくなってしまうように思います。苦しくなると困難を少なくし自分が対応できるレベルで落ち着いて考えたくなってしまいますが、そういう時こそ「大きな振り幅」を意識したいと思います。